社員の声

INTERVIEW
技術 (新卒)
確かに「形に残る」魅力
縁の下の力持ちが格好いい
N.K.
製本・技術 2023年入社
N.K.

わずかなズレも見逃さない繊細な仕事

当社は印刷された紙から本を作る「製本」を自社設備で一貫生産しています。私が所属する本社工場は、本文と表紙を別に仕上げる「ハードカバー」と呼ばれる上製本を製造しています。本文より少し大きめのサイズでつくる表紙は、ボール紙を芯に用いた丈夫な仕様で、長く保存する記念誌や美術・学術書などに多く採用されています。

私はその中で「三方断裁」という工程を担当しています。表紙付けをする前工程の作業で、本の形になった数冊分の紙の束を断裁機にセットし、本の背(綴じた部分)以外の3辺を仕上がりサイズに切り揃えます。機械に指定の寸法を入力し、目盛りやレバーは10分の1mm単位に手動で微調整する繊細な仕事。断裁後は寸法や仕上がりを目視で検品しています。

表には出ないけれど、本づくりの重要な工程を担う

入社のきっかけは、本が好きで、本に携わる仕事がしたいと思って参加した合同説明会で当社を知り、興味を持ったことです。説明会で特に印象に残ったのが、本の巻末にある「奥付」に著者や発行者、印刷会社などが掲載されるのに対し、製本会社名が載ることはあまりないと聞いたこと。

製本は本づくりで重要な工程ですが、表に名前が出ることが少ない「縁の下の力持ち」が格好いいと感じ、また製品として確かに「形に残る」仕事であることも魅力的でした。「クータ・バインディング」などの特許技術を持つ力のある会社という点にも惹かれました。

製本に関わる幅広い技術を覚えたい

指定された寸法で断裁しても、実際に表紙に当ててみると、若干サイズが合わないことが多々あります。機械の微調整は私たち三方断裁機のオペレーターが判断していきますが、一発でぴったりに仕上げるのはなかなか難しいことです。

けれども次の調整に反映させ、2回目のセットで適切な寸法に断裁できると達成感があります。そして自分が携わった本が書店に並んでいるのを見ると、思わず周囲に自慢したくなるほどのやりがいを感じます。

今後の目標は、より丁寧に速く作業が進められるように、さまざまな経験を積み、製本に関わる幅広い技術を覚えていくことです。いずれは、当社が誇る高品質な「箔押し」加工も手がけられるよう、チャレンジしてみたいです。